【元メガバンク×経営・事業支援×ビジネスマッチング:鵜川太郎】経営を改善するために社内会議を変える~「現状の共有」で終わらせず「未来をつくる」場にしよう~ 9

提供記事になります
https://note.com/arriba0519/n/n128de3a61122?magazine_key=me9023f2b43cc
今回は、鵜川太郎さんの3本目の寄稿記事をご紹介します
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。
こんにちは。
鵜川太郎と申します。
経営をよくするために、商品を変える、サービスを見直す、営業を強化する――。そうした取り組みももちろん重要です。
しかし、重要でありながら見落とされるのが「社内会議」です。
どの会社でも会議は日常的に行われていますが、その中身が「営業の今どうなっているか」の報告に終始していないでしょうか?
よくあるのが、今月の売上や順調に進んでいる案件の共有のみ。
これらは現状を知るうえでは大切ですが、「これからどうするか」を考える場になっていないのではないでしょうか。
そういった会議をしている会社は、現状維持をするのが精一杯ということが往々にしてあります。
業績を改善していくために、「会議の進め方」を見直すことをはじめてみませんでしょうか。
この記事では、社内会議を未来志向に変えるための具体的なポイントを紹介していきます。
数字は共有で終わらせず、「ギャップ」に目を向ける

会議でまず扱われるのが「数字」、つまり売上や進捗状況です。
よくあるのが、「今月は○○万円売れました」「目標の80%まで達成しています」といった報告です。
しかし、ここで話が終わってしまうのは、会議の本質までたどり着いていないです。
大切なのは、「目標との差」にしっかり向き合うことです。
たとえば、売上目標が1000万円で、現時点で700万円しか達成していないのであれば、「あと300万円足りない」という事実が明確になります。
そして、「その300万円をどうやって埋めるのか?」という問いを、会議の場で全員で考えることが必要です。
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進行中の案件で足りない部分を埋められるのか?
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足りない場合、担当者はどのようなアクションをしようとしているのか?
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会議の場で議論に上がっていないが、取れそうな案件はないか?
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少し目線を変えることで、案件化できるものはないのか?
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上司は担当者の現状をどのように捉えて、どうしようとしているのか?
このように「だからどうする?」まで参加者全員で踏み込んでこそ、会議に多くの人が集まり、意味あるものになります。
「誰が」「いつまでに」「何をするか」をはっきりさせる~アクションがなければ、会議はただの雑談~

追うべき案件が見えたら、次は行動を決めなければなりません。
ここで重要なのが、「アクションプラン」を明確にすることです。
アクションプランは議事録に残して、会議参加者に共有。次回の会議で状況を「追い続ける」ことが重要です。
誰がやるのか?
最初に決めるべきは、「その行動を誰が担当するか」です。
よくあるのが「誰かがやってくれるだろう」と曖昧にしてしまうケースです。これでは結局、何も進みません。
担当は一人に決め、名前を明示することがポイントです。
また、上司の関わり方、つまり営業案件であれば上司が帯同することで案件が進まないかどうかを判断することも重要です。
いつまでにやるのか?
期限を決めないと、後回しになってしまいがちです。目安ではなく、「いつまでに」という明確な日付を設定しましょう。
議事録に記録し、次回以降の会議で「追う」ということが大事です。
安易に期限を伸ばすことはしてはいけません。
何をするのか?
曖昧な表現ではなく、具体的なアクションに落とし込む必要があります。
NG例:
・訪問の上、顧客との関係を強化する
・提案を見直すことで、お客さまニーズに応える
OK例:
・5月25日までに既存顧客3社に電話を入れてヒアリングする
・競合情報を調べて、自社提案との比較表を作成。担当ではなく、課長にもアポイントを入れて、勝負の提案とする。
「誰が」「何を」「いつまでに」やるのか。
この3点セットが揃って、ようやくアクションプランといえます。
議事録を残し、全員で共有する
決めた内容はその場で議事録に記録し、全員に共有します。
議事録は会議の中で最も重要なツールであり、その大切さは、また別のnoteで記載しようと思います。
議事録に書かれていることはやらなければならない。ということを社内で徹底させることが大切です。
会議のたびにアクションリストを更新し、「前回の決定事項の進捗確認→新たなアクションの決定」という流れを繰り返しています。
弱い組織ではこの流れに甘えが入り、アクションしてなくとも咎められず、会議の意義が失われてしまいます。これができるようになると、会議が本当の意味で「経営のエンジン」になります。
成功事例の共有も案件を選ぶ必要がある

会議でよくあるのが、「成功事例の共有」です。
ただし、ここにも落とし穴があります。多くの企業では、利益が大きかった案件や、スムーズに契約できた話ばかりが取り上げられがちです。
しかし、本当に共有すべきなのは「苦労して乗り越えた案件」です。
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価格交渉で難航したが、粘り強く対応して契約に至った案件
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なかなか成果が出なかった担当者が、ある工夫をして結果を出せた事例
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失敗を繰り返しながらも、改善して成果につなげた話
こうした「乗り越えのストーリー」には、他の社員にとっても参考になるリアルなヒントが詰まっています。
儲かった話よりも、「どうやってその状況を突破したか」を掘り下げて共有することで、学びが深まります。いわゆる再現性につながります。
学びにより、今までは案件化できなかったものが案件になったり、ネック解消に時間を要した案件がスムーズに進んだりするかもしれません。
現状を語るだけの会議から、未来をつくる会議へ。
それが、経営改善の一丁目一番地ではないでしょうか。
私たちは財務改善を通じて経営の中に入り込み、経営を未来志向にするお手伝いもいたします。